ビジネスファッションにおいて、基本的には3つのアイテム選びがメインになります。「スーツ」「ワイシャツ」「ネクタイ」です。
これらのアイテムと同時に忘れてはいけないのがベルトです。ウエストがピッタリとしているスーツなら、正直なところベルトをしていなくても機能的には問題がありません。
もちろん、少しでもウエストが大きいスーツパンツを穿けば、ズリ落ちてしまいますのでベルトが欠かせません。
特に30を過ぎて中年にさしかかるとウエストよりもお腹が大きくなってしまったりして、ウエストでズボンが止まらなくなる人もいます。
また、機能的に問題がないからと言って、ビジネススーツを着用するときにベルトをつけないのは止めておきましょう。
ビジネスシーンでベルトは必需品と認知されていますので、ベルトをつけていないと常識知らず・ひいては相手方に失礼に当たります。
今回は、ビジネスファッションのベルトの選び方の基本的な項目をご紹介します。
スーツ用ベルトの素材について
ベルトを選ぶときは、素材にも着目するようにしましょう。素材が違うことによって、ベルトの質感や使い勝手が変わります。
牛革ベルト
ビジネススーツに合わせるときに、最もオーソドックスなチョイスは牛革のベルトです。
牛革は耐久性も高く、安価で手に入れやすいのが特徴です。ビジネススーツのベルトに迷ったときは、牛革を購入しておけば問題はありません。
コードバンベルト
牛革より多少高くなってしまいますが、コードバンも比較的着用されることが多いベルトの素材です。コードバンとは、牛の臀部から作られており、普通の牛革よりワンランク上の素材です。
多少水に弱い部分がありますが、それを補って余りある魅力があります。
その他動物素材
クロコダイルやパイソンも、ベルトに使用されている素材です。光沢があるのが特徴で、非常に個性が強いのでビジネスシーンの雰囲気には合わない可能性が高いです。
ただし、モノによっては上品な雰囲気を出すこともできるので、使用することができない訳ではありません。TPOにあわせて挑戦しても良いかもしれません。
ビジネスシーンでNGなベルトのデザイン
ビジネスシーンで活用できるベルトのデザインは多くはありませんが、カジュアル感が強いデザインのものは着用しないようにしましょう。
具体的にはメッシュベルト等が挙げられます。いくら牛革のベルトでも、メッシュタイプのベルトはカジュアル過ぎてビジネススーツには合いません。(それに高校生っぽいですよね)
メッシュベルトは私服専用に着用するようにして、ビジネスシーンで着用することは止めておきましょう。
ビジネススーツに合わせるベルト選びの基本
シンプルなベルトを選ぶ
通常のデザインのベルトでも、できる限りシンプルなベルトを選ぶようにしましょう。ブランドのベルトに多いデザインが、ロゴマークが入っているものです。
ファッション性は高いのですが、ビジネスシーンにおいては嫌味な印象を持たれてしまう原因となります。ブランドのベルトに関しても、会社の雰囲気に合わないときは、プライベートに着用するようにしましょう。
フリーサイズのベルトを選ぶ
ビジネススーツに合わせるベルトは、フリーサイズのものを選ぶようにすると良いでしょう。ウエストのサイズが決まっているものは、購入した後にサイズが合わないことも考えられます。
フリーサイズのベルトなら、カットすることによって長さを合わせることができるので便利です。
カットは自身でも行うことができますが、長さの調節に自信がないときは購入した店舗を訪れましょう。店舗にお願いすることで、適切な長さにカットしてもらうことができます。
また、原則としてベルトの長さ調節は『ベルトの真ん中の穴で使えるような長さ』で設定しましょう。
ベルトの色の選び方
ベルトのコーディネートの大原則は、『靴と同じ色のベルトを選ぶ』ということです。特別なことがない限り靴と同じ色のベルトを着用するようにしましょう。
黒と黒の組み合わせ
黒のベルトは、ビジネススーツに合わせる際に基本となる色です。ビジネスシューズに関しても、黒のものが多いので非常に合わせやすいのが特徴です。
黒と黒の組み合わせの際は、暗い色のスーツよりも、明るいグレーのような色の方が映えます。
ブラウンとブラウンの組み合わせ
ブラウンは、落ち着きのある色ですので着用することによって、相手に安心感を与えることができます。また、知的に見える色でもありますので、ビジネスシーンでは活用したい色です。
基本的には、ブラウンの色が濃くなればなるほどビジネスシーンに向いており、薄いブラウンは目立ってしまう上にカジュアル感が強くなります。
ネイビーとネイビーの組み合わせ
ネイビーも、ビジネスシーンでは活用したい色です。黒に次いでスタンダードな色でもありますので、どのようなカラーのスーツにも合わせやすいのが特徴です。
ビジネスシーンでは黒のベルトを着用することが多いのですが、ネイビーは失礼のない範囲で遊び心もあり、ビジネススーツのコーディネートにアクセントを加えてくれます。
ベルトのバックルデザインの選び方
基本的なベルトの色を決める以外にも、ベルトのバックルのデザインを選ぶポイントをご紹介します。
バックルとは、ベルトを固定する金属製の留め具の部分です。非常に目立つポイントなのでこだわりを持って選びましょう。
バックルの種類
ベルトのバックルは大きく分けて4種類あります。
ピンバックル
最もスタンダードなバックルです。尾錠止めとも呼ばれ、針のような留金を穴に通して固定するバックルです。シンプルなデザインから、最もよく利用されるバックルです。
カジュアルからフォーマルまで通用します。
ビジネスシーンでも最も多く使われるオーソドックスなバックルです。
ダブルピンバックル
穴に通して固定する為の針金が2つあるタイプのベルトです。作業着など、しっかりとベルトで固定する事が必要な際に用いられたり、カジュアルファッションで選ばれるベルトです。
ビジネスシーンには不向きです。
トップバックル
バックルの裏に突起があり、ベルトの穴にひっかけて固定するタイプのベルトです。
固定する力は弱いですが、バックルの形状に制限がない為個性的なデザインのバックルや、ハイブランドのロゴ入りバックルなどで使われます。
ビジネスシーンでは、ピンバックルに続いて良く使われるタイプのバックルです。
リング式バックル
リング式バックルとは、リングベルトなどの布製ベルトに使われるバックルです。O型やD型の形状が特徴で、2つのリングにベルトを通して固定します。
ビジネスシーンではまず使われないベルトです。
バックルは長方形型のピンバックルかトップバックルを選びましょう。
シンプルなピンバックルでも、上質な物は革の高級感と金属バックルの研磨の美しさなどで雰囲気ががらっと変わります。
スーツや靴のローテーションと合わせて、ベルトも2~3本はスーツ用に持っておくとコーディネートが楽しくなります。もちろん、ベルト1つあたりの使用頻度も減る為消耗しにくく、長く使えます。
個人的におすすめのスーツ用ベルト
30代になって少し余裕が出てきたら、ベルトも高級なものを1点くらい持っておくことをおすすめします。
個人的にはモンブランのベルトがシンプルかつ高級感があって好きです。ボールペンと万年筆のイメージがありますが、モンブランのショップに行けばビジネス小物も全て揃うくらい、充実しています。
ベルトの価格帯は3万円〜5万円くらいと少し高いですが、大切に使う一本なら・・・
まとめ
- ベルトの色と靴の色は合わせる
- バックルは長方形でシンプルなものを
- 革の質と、バックルの上質さにこだわる
ベルトは忘れがちではありますが、ビジネススーツには欠かすことができないアイテムです。
ベルトを選ぶときは、TPOとスーツファッション全体の色とデザインに注意して、ベストなコーディネートを目指して下さい。