睡眠負債は、毎日の睡眠不足が積み重なった状態のことで、読んで字のごとく寝不足の借金。
忙しい生活を送っている人ほどこの負債がたまっています。
夜寝つきが悪い、寝ている途中で目が覚める、日中の眠気が続くことはありませんか?あなたも睡眠負債がたまっているかもしれません。
寝不足の借金を早く返さないと、生活習慣病になりやすくなったり、精神的ダメージ、さらには脳への影響もでてきます。
その睡眠負債を解消する手助けになるのがキムチなんです!先日TBSのジョブチューンでも取り上げられ、睡眠負債に効果がある食品としてキムチが紹介されていました。
でも、睡眠にキムチが効果的だなんて何だか意外な感じですよね。そこで、今回はなぜ睡眠負債にキムチがいいのか、
キムチに含まれている成分や効果について解説します。睡眠に関して悩んでいる人は必読ですよ!
睡眠負債を解消するキムチの効果
睡眠負債はスタンフォード大学の教授によって提唱され、2017年にNHKスペシャルで取り上げられてから広く知られるようになりました。
本人も気がつかない内に睡眠不足が借金のように積み重なっていき、心にも体にも悪い影響を与えます。
6時間睡眠が2週間続くと脳は2日間徹夜したのと同じような状態になるという実験結果も発表されています。
NHKのウェブサイトには睡眠負債のリスクを調べられるチェックリストが掲載されているので
「もしかしたら私、睡眠負債かも・・・」
と思う人は参考にしてみて下さいね。
睡眠負債になると具体的にどのような状態になってしまうのでしょうか。
- 脳の働きが悪くなる
- 免疫力が下がる
- 新陳代謝が悪くなる
- 体の細胞が活性化されない
- 老廃物がたまる
- 病気になりやすくなる
このように全く何のメリットもない睡眠負債ですが、改善するのになぜキムチが効果的なのでしょうか。
キムチの効果と成分
みなさんご存知のように、キムチは韓国の伝統食品で、塩漬けした白菜や大根などの野菜を唐辛子・魚介類の塩辛・ニンニク・ショウガなどの薬念(ヤンニョム)と呼ばれる薬味で混ぜて発酵させた保存食品です。
ナトリウムやビタミンB群などの栄養素が豊富に含まれているため、肥満予防やダイエットに効果が期待できる健康食品としてもよく知られていますよね。
そんなキムチですが、じつは睡眠負債にに効果があるとされる成分、ギャバと乳酸菌がたくさん含まれているんです。
成分その1:ギャバ(GABA)
正式名称「γ(ガンマ)アミノ酪酸(らくさん)」ギャバはアミノ酸の一種で、脳内の興奮をしずめリラックスさせたり体の深部体温を下げて睡眠に入りやすくする働きがあります。
最近ではギャバが含まれたチョコレートやアメ、コーヒーなども販売されるようになり、手軽に食べられるようになりました。
ギャバの効能
- 脳の興奮を抑える
- 気持ちをリラックスさせる
- ストレスを和らげる
- 血圧を下げる
- 腎臓や肝臓の働きを良くする
- 中性脂肪を抑える
ギャバが多く含まれた食品
- 漬物(キムチ・ぬか漬け)
- 発芽玄米
- 野菜類(トマト・ジャガイモ・ナス)
- 果物類(温州みかん・ブドウ)
- カカオを使った製品(チョコレート・ココア)
成分その2:乳酸菌
乳酸菌は糖類を分解して乳酸を作り出す細菌の総称です。リラックス効果、ぐっすり眠れるなど睡眠にも効果が期待できます。
動物性乳酸菌と植物性乳酸菌との2つの種類に分かれ、野菜を発酵させて作るキムチには植物性乳酸菌が含まれています。
乳酸菌に関しては、サッポロビールと産業技術総合研究所が共同研究実験を行い、睡眠障害に効果があるということが証明されています。
乳酸菌の効能
- ストレスの緩和
- 安眠効果
- 腸内環境を整える(腸内の善玉菌を増やして悪玉菌の繁殖を抑える)
- 免疫力を高める
- 便秘・下痢の改善
- 生活習慣病の予防
- アレルギー症状の改善
- 美肌効果
乳酸菌が多く含まれた食品
- 乳製品(ヨーグルト・ナチュラルチーズ・発酵バター)
- 乳酸菌飲料(ヤクルト・カルピス)
- 大豆製品(納豆・醤油・味噌)
- 漬物類(キムチ・ぬか漬け・ザーサイ)
- 酒類(日本酒・ワイン・マッコリ)
より効果的なキムチの種類
キムチといえば、白菜・大根・ネギ・ニラのキムチなどが思い浮かびますが、じつは沢山の種類があり、キムチの本場・韓国では100種類以上のキムチが作られています。
睡眠負債を改善するためにはギャバの量が多いとされるトマトやナスを使ったキムチを食べることをおすすめします。
トマトやナスのキムチはあまりポピュラーではないためあまり売られていませんが、韓国では自分で作って食べている人もいるということです。
キムチを作るのは難しそうですが、レシピを紹介しているサイトもあるので自分の口に合いそうなレシピを探してみて下さいね。
記事の最後におすすめ料理も紹介しています。
キムチを食べる量は小鉢一杯
キムチには睡眠に効果的なギャバと乳酸菌がたくさん含まれていることが分かりました。
でも、キムチを食べたらいいことは分かっても、一日にどのくらいの量を食べたらいいのかよく分かりませんよね。
一日に小鉢一杯くらいを目安で十分栄養を補給できます。キムチには唐辛子やニンニクなどの刺激が強い薬味が入っているので、一度にたくさん食べると胃が痛くなったり下痢をしたりすることがあります。
胃腸が弱い人は一日50gくらいから食べ始めてみて下さいね。
食品100g当たりに含まれるギャバの量
- キムチ:89,0㎎
- トマト:62,0㎎
- ジャガイモ:35,0㎎
- ナス:20,0㎎
これを見ても分かりますが、キムチに含まれるギャバの量はナスに比べて4倍以上も多く、そんなにたくさん食べる必要はありません。
寝る1〜2時間前に食べる
ギャバには即効性がありますが、効果は長い時間続かないため、寝る1〜2時間前がベストです。
寝つきが悪く、寝ても途中で目が覚めてしまうという人を対象にキムチを使った実験が行われていました。
まず最初はキムチを食べずに寝てもらって脳波を測定すると、眠りが浅く寝つくのも時間がかかっていました。
ところが、夕食にキムチを食べてから寝てもらって脳波を測定したところ、早く寝つけるようになり深く眠れるようになったことが分かったのです。
つまり「夕食の時にキムチを食べると寝つきが良くなり睡眠の質も上がる」ということなんです。
ただし、食べてからすぐ寝るのは消化に悪く睡眠の質も下がってしまうので、夕食は寝る3時間前くらいには済ませておきましょう。
キムチと睡眠に効果的な食材を使った料理
我が家でもよく作る、キムチ料理です。
キムチがあれば家でも簡単にできるので、ぜひ作ってみて下さいね。
納豆トマトキムチそうめん
参考:クックパッド
睡眠障害の改善に効果的といわれる乳酸菌が多く含まれた納豆とギャバが多く含まれたトマトを使った料理です。
調理時間が短くサッパリしていて食べやすいので、暑くて食欲のない夏におすすめします。
キムチ入りカムジャタン
参考:クックパッド
トマトの次にギャバが多いとされるジャガイモを使って作るカムジャタンは韓国の鍋料理です。
キムチと鍋料理の相乗効果で体が温まり、寒い冬にピッタリの一品ですよ。
ナスと豚肉の味噌キムチ炒め
参考:クックパッド
この料理にもキムチが入っていますが、味噌と砂糖で甘辛く味つけているので、辛いものが苦手な子供やお年寄りでも美味しく食べられます。
ナスもギャバが多く含まれている野菜です。
まとめ
睡眠負債を改善しないまま生活すると心も体も悪い影響を受け、最悪の場合は深刻な病気にかかってしまうこともあります。
人間、健康でなければ充実した楽しい毎日を送ることはできないですよね。
睡眠負債を解消して健康的な生活をするために、まずはギャバと乳酸菌たっぷりのキムチを毎日食べることからはじめてみましょう!
キムチはスーパーやネットなどで簡単に購入できますが、発酵があまり進んでいないものは乳酸菌とギャバの量も少ないので、乳酸菌入りと書かれているものを選ぶようにして下さいね。
■参考文献
ギャバ・ストレス研究センター乳酸菌によるγ-アミノ酪酸の生産産総研:よい睡眠は食事でつくれる!?
■参考書籍
スタンフォード式最高の睡眠健康食品・サプリメント[成分]のすべて2017ナチュラルメディシン・データベース]